不眠に苦しんでいる人は多いと聞く。私もその一人。
先日、残薬の管理を怠り、薬が足らなくなってしまった。
その日は薬を飲まずに寝ることを余儀なくされるのだが、案の定まったく眠くならないし、横になって目をつむっても眠れない・・・。1時間、2時間と過ぎていって焦ってくる。
一晩中、横になったり、起きたりの繰り返し。本を開いて心を落ち着かせようと試みるが効果なく。結局一睡もできなかった。
スマートウォッチの記録では2時間29分は寝ていたようだ。が、自分としては眠った気が全くしなかった。そのまま床を出るのが6:00。放心状態で窓を開けると日の光がもれてくるが、眠っていない状態ではその光がまぶしくて辛い。残薬不足でこの状態があと数晩程続くことが耐えられず、パニック状態に陥った。秋晴れの美しい朝にパニック・・・何とも似つかわしくない光景。
睡眠の重要性はさんざん言われているけれど、実際に全く眠れない経験をして、人間は眠らずには生きていけないことを実感した。眠っていないと食べられない、動けない、あちこち痛い。それなのに昼間も眠くならない。つらい――――――――――。
自分の行きつけの病院の別院に連絡を取るも、カルテを連携していないから受けられないとあっさりと断られる。他院にも電話で相談するが、他の病院で診てもらっている方の診療は控えたいとのことでこちらも断念。専門家の方に相談してようやく受けてくれそうな心療内科を見つけ、そこで診察を受けて事情を説明することにした。
日曜日だというのに、10数名の職員の方々が働く院内。優しく受け答えをしてくれる人たち。次々に患者さんが入ってくる。部屋が少し狭くて問診票を書きながらまたパニック発作のような感じになって焦る…何とかこらえる。数分で医師の診察に通される。30代前半くらいのお医者さんは(私にとってはてとても)若いけど応対が優しくもあり落ち着いた感もあり、話し始めたらパニックは止んでいた。
結局お薬ももらうことができ、寝てない体でふらふらながら無事に帰宅。この日が丸3日くらいに長く感じる。薬をもらえてその日は超熟睡することができた。眠ってみて生きていることを実感した。眠ることは生きることかもしれない、とさえ思った。眠ることの不思議を40も半ばを過ぎて体感させられた。眠れるのが当たり前だった若い頃には感じられないことだった。そして悩んでいる人をこうして受け入れてくれる病院があることに感謝してもしきれない気持ちになった。迷わずに受診することで本当に救われると感じる。
眠る時間は体を休めている時間。その時間がないと次の日の活力を得られない。体は脳が睡眠モードにならないと休めない。体だけ勝手に眠ることはできない。眠ることは生きることに直結するものだと体験してしみじみと感じることができた。


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