ゆるやかに変わっていくこと

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 今は若松英輔先生の『読むと書く』の講座をテーマに応じて受講しています。
そちらでの学びによって自分が確実に救われていると感じる。
救われているなんて言葉を使うと、何かドラマチックな響きになりますが、ある書物をめぐって学びを深めること以上のことが確実に行われていると感じるからです。
 自分が思ってもみないような本を手に取ったり、思ってもみないようなことを書く、その過程でゆっくりと自己を発見していく。ドストエフスキーも小林秀雄も実はこれまで一度も読んだこともなかったけれど、それぞれを読む行為というのが、個別に存在しているのではなく、流れの中でそうした人達に自然と出会っていって、今おかれている人生の課題について深く考えさせる中で、共鳴し合いながら、導かれるように書き、導かれるように次の学びへ緩やかに進んでいく。
 これまで、読書が自己発見のプロセスだということも知らずに読んでいた。良いと言われた本、皆が読んでいる本、流行っている本を漫然と読んでみるのも悪くはないのだろうけれど、そういった読書とはまったく違う質の読書を経験していると思っている。次から次から立ち止まることなく「量」を読むことが、もったいないことであるように感じている。自分の内面がそんなスピードで呼応できるものではないから、自然とゆっくり繰り返して読むことになる。
 いくつになっても、自分が自分のことを既に知っていると過信することなく、いつでも自己は再発見されるものだということを知って希望が持てた。
 

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